ダイニングテーブル サイズの基礎知識
ダイニングテーブルの1人分に必要なスペース
ダイニングテーブルを選ぶとき、まず知っておきたいのは1人に必要なスペースです。
一般的には、横幅60cmx奥行き40cmです。
窮屈に感じることもなく、食事をとることができる大きさになっています。
テーブルの上にたくさん食器が並んでいると賑やかではありますが、食器同士が当たってカチャカチャと音がしたり、テーブルに余白がないと、かえって狭さを感じてしまうことになります。
そうならないために、1人分に必要十分なスペースとして、横幅60cmx奥行き40cmが推奨されています。
ダイニングテーブルのサイズを考えるときは、この数値をもとに選んでいくのが基本となります。
でも、この数値がどこからきているのか?と疑問に思ったかもしれませんね。
これは、食事をするときの体の動きから考えられています。
1人分に必要な横幅のサイズ
1人分に必要な横幅のサイズは、肩幅から考えられています。
AIST人体寸法データベース1991-92のデータを見てみると、成人男性の平均は45.6cm、成人女性の平均は40.8cmとなっています。
例えば、電車の座席にこの2人が並んで座っているとして、何もしていなくてじっとしていたとしても、窮屈そうではありませんか?
ダイニングテーブルに座って食事をする場合、動かないわけではないので、肩幅より横幅が必要なことがわかります。
食器を持って、お箸を動かして口へ運ぶ一連の動作では、肘が肩幅より外側へ出ます。
無理なく自然な食事の動作では、肩幅+αとして、60cmが目安になっています。
1人分に必要な奥行きのサイズ
1人分に必要な奥行きのサイズは、横幅のように必要というわけではなく、程よい距離感となっています。
テーブルの奥に置いている料理を取るとしても、まっすぐ手を伸ばすということもなく、腰を浮かしてまで伸ばすこともしません。
また、パーソナルスペースにおける密接距離は0〜45cm。
料理の品数が2つ3つあれば縦に並べたりしますね。
食器の大きさや、人と向かい合ったときの程よい距離感。
それを踏まえて、奥行きは40cmが目安となっています。
ダイニングテーブルの周りの動線
ダイニングテーブルのサイズを選ぶとき、食事をするときのこと以外も考える必要があります。
「椅子を引く」「椅子に座る」
2つの動作がありますから、天板の大きさだけでなく、それも考慮しておきます。
座るときや立つときに椅子を引く動作で必要なスペースは、椅子の座面+αで60〜70cm。
椅子に座る動作で必要なスペースは、カラダの厚み+αで50cmです。
実はもう一つ、ダイニングテーブルを選ぶときに考えておきたいのは、「椅子の後ろのスペース」
ダイニングテーブルを置いた場所や置き方にもよりますが、椅子に座っている人の後ろを人が通るというシチュエーションも考えておきます。
料理を運んできたり、食事が早く終わって先に席を立つとか。
ダイニングテーブル周りの動線も考えておきます。
椅子の後ろのスペースには、60〜90cmあると理想です。
ダイニングテーブルとライフスタイル
ダイニングテーブルのさまざまな条件においての理想の大きさというのはあります。
でもそれは、選び方の基本的なもの。
実際には個々の家庭によりおすすめサイズは違っています。
家族4人といっても、大人2人と子供2人とは限りません。
子供は成長していきますから、子供2人といっても、小学生なのか、高校生なのかで体格は変わります。
また、家族みんなが標準体型とも限りません。
ダイニングテーブルを置く部屋 LDの広さや間取り、テーブルの周りがどうなっているか、どんな家具が他においてあるかによっても、配置したときの大きさは変わって見えます。
使い方でも選び方は違ってきます。
食事をするだけなのか、子供が学習に使ったり、パソコンを置いたりするのか。
ダイニングテーブルは大きい方がいいという、個人の理想もあります。
一般的におすすめできる大きさはあるので、それを知った上で、自分にあったダイニングテーブルを探してみてください。
ダイニングテーブルが大きすぎにならないサイズと人数の関係
1人で使うダイニングテーブル
1人で使うダイニングテーブルは、1人分に必要なスペースを基準に考えるといいです。
ただ、使うのは自分だけなので、もう少し余裕のあるサイズがおすすめです。
80cmx80cmや、一回り小さく60cmx60cmなら、自分専用って感じがより強く感じられるかもしれません。
カフェにあるテーブルをイメージしてみるといいですね。
1人用の席のテーブルは正方形が多いのではないでしょうか?
基本的には、ゆっくりと食事をするための場所なので、勉強するため、仕事をするための机と違い、広さは必要ありません。
食事をした後、アフターティーを楽しむ。
そんなスペースとして、1人分に必要な幅よりゆとりのあるサイズがおすすめです。
2人で使うダイニングテーブル
2人で使うダイニングテーブルは、使い方の多くは、向かい合って座る”対面”だと思います。
1人に必要なスペースから考えると、横幅60cmで、奥行きが80cmとなります。
ですが、見た目にバランスがいいとは言えません。
カフェなどお店でも見かけないと思います。
2人で使う場合は、80cmx80cmくらいの正方形が使いやすいです。
LDに広さがあるなら、このサイズのダイニングテーブルを置いても、十分広さを感じられると思います。
ただ、これは、2人”だけ”を想定しています。
若いカップルなら、将来のことを考えて、4人がけできるテーブルを用意するのもひとつの方法です。
2人で使っている間は広々と。
お子様ができたら、椅子をプラスして3人でという選び方もいいと思います。
3〜4人で使うダイニングテーブル
3〜4人で使うダイニングテーブルは、横幅120〜135cmx奥行き70〜80cm。
3人だと、大人2人と子供1人というケースがほとんどでしょうか。
横幅120cmは、大人が並んで座ってもちょうどいいサイズ感ですし、対面にお子様が座っている場合、距離が短い方が安心感があります。
また、4人家族にもちょうどいいサイズ。
ダイニングテーブルは食事の場とするなら横幅120cmで十分ですが、ほかにも用途があるなら、広く取るのもいいと思います。
子供が勉強する、お絵描きをするとか、ママの家事のための作業スペースに使うなど。
部屋の広さとも相談が必要ですが、生活スタイルによっても、考えてみる必要があります。
さらに大きく、横幅150cmというのもゆとりがあっておすすめです。
奥行きが若干広くなり、くつろぐダイニングテーブルとして利用できます。
また150cmあると、友達や両親など、急な来客でもギリギリ対応できる幅になります。
5〜6人で使うダイニングテーブル
5〜6人で使うダイニングテーブルは、横幅180〜200cmx奥行き80〜90cm。
例えていうなら、セミシングルベッドが1台置いてあるイメージです。
1人分のスペースが横幅60cmですから、横に3人並んでも十分な大きさです。
もし、妻手、いわゆるお誕生日席に誰かが座るように使うなら、奥行きを広くとってもいいと思います。
5〜6人でとる食事は、とてもにぎやかで楽しいものになりそうです。
ですから、窮屈さを感じないよう、ゆとりのあるサイズ選びが望ましいです。
ダイニングルームがあまり広くない、横幅180cmのテーブルを置いたら窮屈になる。
そういった場合、伸張タイプのテーブルを選ぶのもいいと思います。
食事のときにはテーブルを伸張し、普段は小さくしておくという選び方もあります。
5〜6人が、常にダイニングテーブルに座っているわけではないですからね。
ダイニングテーブルは大きい方がいいのか?
ダイニングテーブルは、コンパクトなサイズより大きめの方がいい!
という意見があります。
一家団欒の食事には、ゆとりを持ちたいと考えている人も多いです。
だからこそ、基本のサイズより大きめを選ぶことに迷いがあります。
大きすぎたと後悔しないだろうか?ってね。
実際に失敗してしまった事例を紹介します。
◯動線に余白が少なくテーブルの角に足をぶつけてしまう。
◯テーブルの一部が物置きになってしまう。
◯部屋の広さに対し、ダイニングテーブルが大きすぎたため、レイアウト上、置く場所が決まってしまい、収納場所が使用できなくなってしまった。
後悔したという例もありますが、大きいからのメリットもあります。
窮屈感とは違う、居心地の良さがあります。
使う人数に合わせた理想的なサイズはありますが、それは、食事をする上で必要な大きさという意味です。
4人家族なら120cm。
でも150cmだったら、30cm余裕ができます。
テーブルの中央に花を飾るのもいいですね。
また、ゲストがあったときにも、大きめだと対応しやすいです。
食事をする以外にも、家庭により使い方もいろいろです。
大きなテーブルで子供達が宿題をしたり、それを見ながら家事作業をすることもできます。
ダイニングテーブルは大きいと存在感が出てしまいますが、デザインや椅子によって、軽減することはできます。
それも選び方の一つになります。
ダイニングテーブルが大きすぎた!となる理由
ダイニングテーブルが大きすぎた!となるようなことには、なりたくないですね。
ちゃんとサイズを考えて選んだはずなのに、失敗だったなんて、がっかりですからね。
そうならないために、ダイニングテーブルのサイズは悩むことも多いと思います。
4人家族に150cmは大きい?180cmは大きすぎ?
大きなダイニングテーブルには憧れもあり、希望する人も多いのですが、購入したあとで後悔しないかと頭を悩ましてしまうのです。
失敗したなと思うのには、2つの要因があります。
「感覚的」なことと「物理的」なこと。
感覚的/店舗と部屋
ダイニングテーブルを選ぶ際によく言われることは、新聞紙などで部屋に置いてみてください、と。
そうすることで、サイズ感が把握しやすくなるからです。
でも、そこが落とし穴。
これは感覚的なことが大きく影響しています。
実物を見て購入したいと店舗で選ぶ場合、ダイニングテーブルは、お店の広い空間に置いてあります。
きっと、1セットではなく、サイズやデザインも数種類で、いろいろ見て検討してもらえるよういくつか展示してあると思います。
実際に座って見て、置く部屋をイメージしながら選ぶのではないでしょうか。
大きすぎたと感じてしまいやすいのは、広い空間の中に置いてある点です。
店舗では、部屋の広さと比べて、フロアの広さも、天井も高いはずです。
テーブル周囲の動線、ほかの家具や窓との距離感など…。
実際に部屋に置いてみると、オヤッ?と思うことがあるのです。
それが感覚的なこと。
お店で見ていたときと違い圧迫感を感じるなど、ズレを感じてしまうことで、大きすぎたとなってしまうのです。
物理的/部屋の余白
ダイニングテーブルを選ぶときの基本は、ひとりに必要なスペースを考えることです。
そこから、横にひとり、向かいにひとりと人数に応じて、必要なサイズを考えていきます。
これは間違いではないのですが、考慮するべきはそれだけではないのです。
ダイニングテーブルで食事をするときは、その選び方だけで問題ありません。
ただ、生活をしていく中で、椅子に座り、食事が終われば席を立つという一連の動作には、テーブルの大きさ以上にスペースが必要になります。
椅子を後ろに引くときに、幅を気にしながらなんてイヤですよね。
座っているときに、その後ろをだれかが通るシチュエーションもあります。
つまり、ダイニングテーブルの周りの動線に、余裕が必要ということです。
また、ダイニングルームに、テーブルだけが置いてあるとも限りません。
棚があったり、観葉植物が置いてあるかもしれません。
間取りであったり、家具の配置など、部屋に余白がないと、圧迫感を感じてしまうことになります。
そのため、理想のサイズだったのになんだか大きい、となってしまうのです。
実はひとつ、見落としがちなことがあります。
それは椅子。
アーム付きの場合、テーブルの下に収納することができないことがあります。
そうなると、誰も座っていなくても場所をとってしまいます。
部屋に余白が十分になかったとしたら、失敗したとなってしまうことになりやすいです。
まとめ
ダイニングテーブルのサイズ選びには、ライフスタイルにも目を向けてください。
ダイニングでどんな過ごし方をしたいですか?
よくあるのが、リビング学習。
子供との楽しい時間は大切にしたいですね。
ただ、子供も思春期を迎える頃になると、食事が終われば自分の部屋に引きこもったりすることも多くなります。
家族はそれぞれの時間を大事にし、ダイニングテーブルの利用も減り、気づけば物置きと化するなんてことも考えられます。
ライフスタイルは変わっていくものですから、考えすぎても仕方がありません。
使い方は、使う人の数だけあります。
まず、基本になるサイズを知っておくことが、失敗しない近道です。