
スキップフロアのある間取りってオシャレですよね。
後付けしようとリフォームを考えるとなると、手間も費用もかかります。
どこに依頼するのか、業者とのやりとり、かかる工事費…。
少し面倒ではあります。
そこで、1つの提案として、設置するだけの所謂”小上がり”をおすすめします。
リビングに収納を増やしたい。
畳の上でごろ寝したい(フローリング調もあります)
来客用に使いたい。
など、用途もいろいろ使えます。
置くだけ小上がりをおすすめする理由
作り付けの小上がりは
バリアフリーにしづらい
将来的に、家をバリアフリーにするときに出てくる悩みです。
親のこと、自分たちの数年後の生活を考えたとき、バリアフリーにリフォームできないかもしれないとなると悩んでしまうと思います。
家を建てるときやリフォームするときに、リビングに小上がりを作るとしたら、おそらく業者に施工してもらうでしょう。
専門の職人に作ってもらうのですから、できあがりはしっかりとしたもので、満足度も高いはず。
それをバリアフリーにするとなると、大変なこと想像できるのではないでしょうか。
リビングにスキップフロアを作ることを、もしバリアフリーにできないからという理由で悩んでいるのなら、後付けできる小上がりを考えてみませんか?
後付けするから小上がりも撤去しやすい!
リビングに作る畳の小上がりを施工してもらうのではなく、後付けする。
置くだけの小上がりは組み立て式です。
つまり、もし必要なくなったら解体すればいいのです。
お客様組み立てといって、購入した人が自分で組み立てるようになっているものもあります。
自分でできるので、解体工事を依頼することもありません。
小上がりならバリアフリーも簡単!費用だってかかりません。
スキップフロア(小上がり)のメリット
スキップフロアとは、1つの階層に高さのあるフロアのある間取りのこと。
小上がりは、リビングに段差のついたスペースのことで、和室というのが多いです。
洋室のリビングと畳の小上がり。
リビングと同じ空間にある小上がりは馴染みやすく、それだけでおしゃれな和モダンのできあがりです。
使い方はさまざまですが、独立した空間にあるので、小上がりはスキップフロアのような使い方もできます。
畳の小上がりは、なんといってもゴロゴロ横になれるのは魅力ですね。
ラグや絨毯でももちろんできますが、畳の上というのがポイント。
い草の風合いと触れる感触。
リビングは洋室であっても和室は欲しいという人が多いのもわかります。
1.床下スペースにたっぷり収納
小上がり最大のメリットのひとつは、床下を活用した大容量収納が確保できる点です。
こまごましたものから、大容量といわれるものだと布団も収納できます。
布団の収納場所は案外悩みのタネ。
小上がりの下に布団が収納できるとなると、リビングをスッキリ見せたい人にはうれしいメリットです。
限られたスペースの中でも、生活感を隠しながら収納量を増やせるため、特に収納不足に悩みがちなコンパクトな住宅にとっては強い味方です。
引き出しタイプと開閉式タイプ
小上がり収納には主に2種類のタイプがあります。
- 引き出しタイプ
→ 引き出しをスライドして開閉するタイプ。出し入れが簡単で日常使いに便利です。
→ お子さんのおもちゃや、リビングで使うブランケットなどの収納に最適。 - 開閉式タイプ
→ 床板を持ち上げて中に収納するタイプ。引き出しよりも深く大きな物を収納可能。
→ 季節物の寝具やスーツケース、雛人形・五月人形などの長期保管品にぴったり。
収納量の目安
小上がりのサイズにもよります。
3〜4畳分のスペースがあれば布団3〜4組分。
衣装ケースなら6〜8個程度収納できます。
天井までの壁面収納と違って圧迫感がないのも嬉しいポイントです。
散らかりがちなリビングがスッキリ
「リビングに収納がないから、物がすぐ散らかる…」
そんな悩みを抱えるご家庭でも、小上がりの床下に隠す収納ができることで、日々の片付けがグッとラクになります。
急な来客時でも慌てずサッと収納できるのは、日常の安心感につながります。
2.空間を有効活用できる
限られた床面積の中で「もうひと部屋分の機能」が作れるのが、小上がりの大きな魅力です。
リビングの一角に段差を設けるだけで、寝転がれる・座れる・しまえる空間としてフル活用できるようになります。
「和室がほしい」をスマートに叶える
「和室があると便利だけど、スペース的に厳しい…」
そんな住まいでも、小上がりを設けることでリビングの中に畳スペースを取り入れることができます。
お昼寝やストレッチ、赤ちゃんのお世話にもぴったり。
フローリングよりも柔らかく温かみがあり、くつろぎスペースとしての役割も果たします。
多目的に使えるミニルーム
小上がりはちょっとした+αの部屋のような感覚で使えます。
- 日中は子どものプレイスペース
- 夜は布団を敷いてゲストルーム
- 在宅ワーク時はローテーブルを置いて集中スペース
- ヨガや瞑想など、自分時間のためのスペース
と、使う人や時間帯によって柔軟に活用できるのが魅力です。
視線の切り替えで空間にメリハリが出る
段差があることで、同じ部屋でも空間に用途の違いを自然に演出できます。
例えば、キッチン〜ダイニング〜小上がりとつなげることで、生活動線にリズムが生まれ、空間全体が広く見える効果もあります。
3.多目的に使える
小上がりは、使い方の自由度が高いのも大きな魅力です。
そのときの家族構成やライフスタイルに応じて、目的を変えて活用できるので、長く愛用できる空間になります。
赤ちゃんや子どもの遊び場にぴったり
畳を敷いた小上がりは、やわらかい素材なので赤ちゃんのハイハイやお昼寝スペースにも安心。
段差でエリアが区切られているため、おもちゃが散らかってもリビング全体に広がりにくく、片付けもしやすくなります。
来客用の寝室としても活用できる
普段は家族のくつろぎスペースとして使いながら、来客時には布団を敷いて寝室代わりに。
とくにワンルームや1LDKの間取りでは、臨時の個室空間としても重宝します。
お昼寝や読書、趣味の時間にも
ちょっと横になって休憩したいとき、リビングのソファでは物足りない…そんなときにも小上がりがあると便利です。
日当たりの良い場所に設ければ、読書・刺繍・編み物などの趣味スペースとしても活躍します。
デスクを置けばワークスペースにも
高さを少し高めに設定すれば、ワークデスクと椅子を置いて「在宅勤務コーナー」にもできます。
足を伸ばして座れるので、一般的なチェアよりリラックスして仕事ができるという声もあります。
4.空間にメリハリが生まれる
小上がりを設けることで、段差によって空間に“高さの変化”が生まれ、視覚的にメリハリのある部屋に仕上がります。
広さや構造に制限がある住まいでも、「区切るけどつながる」絶妙な仕切りとして機能するのが特徴です。
ゆるやかにゾーニングできる
小上がりは壁で完全に仕切るわけではないので、視線は抜けつつ、用途は分けるという使い方ができます。
たとえば…
- リビングの一角を読書や昼寝用の和スペースに
- 子どもの遊び場として目が届く位置に設置
- ダイニングとの段差で「くつろぎゾーン」を強調
といった形で、“ひと続きの空間”の中に、複数の役割を持たせることが可能です。
また、小上がりは高さがあるので腰掛けるということができます。
椅子やソファーの感じで座ることができ、立ち上がりしやすいのもメリット。
小上がりの上に座っている人と、リビングでソファーに座っている人と、目線が合いやすいというのは、あまり知られていないかもしれません。
家族の団欒は、目線の高さが近い方がいいです。
奥行き感・立体感が生まれておしゃれに見える
高さのある床面が加わることで、空間に段階的な奥行き感やリズムが生まれます。
特にワンルームや1LDKなど、ひとつながりの間取りでは、小上がりを設けることで空間に立体感とデザイン性をプラスできます。
リビングの生活感を上手に隠せる
段差によって小上がりの中が死角になる位置に設けられれば、多少の散らかりも目立ちにくいというメリットもあります。
急な来客があったときなど、サッと目隠しできる便利なエリアになります。
5.空間に“映える”デザイン性の高さ
小上がりは、実用面だけでなくインテリア性を高める「魅せる空間」としての効果も大きなポイントです。
空間に高さの変化を取り入れることで、平坦な部屋に立体感や奥行きをプラスし、ワンランク上のおしゃれな印象に仕上がります。
畳や素材の選び方でテイストを演出
近年は、「ヘリなし畳」や「カラー畳」「樹脂畳」など、モダンなテイストに合う素材も充実しています。
- 和モダン:ヘリなし畳 × ダークブラウンの框(かまち)
- 北欧風:淡いグレーベージュ畳 × 木目のフローリングと合わせる
- ナチュラル:無垢材の框 × 和紙畳で柔らかさを演出
このように、小上がりは素材とカラーの組み合わせ次第で、部屋全体の印象を自在にコントロールできるパーツとなります。
間接照明との相性も抜群
段差の下に間接照明(フットライト)を仕込むことで、夜には幻想的な雰囲気にできます。
リビングを落ち着いたムードに仕上げる演出として、ホテルライクな空間づくりにも効果的です。
スキップフロア(小上がり)のデメリット
1.段差による転倒リスクがある
小上がりを設ける上で、もっとも注意が必要なのが「段差」です。
床に高低差があるということは、利便性と同時にリスクも伴うという点を理解しておく必要があります。
小さな子どもや高齢者には危険な場合もある
特に気をつけたいのは、よちよち歩きの幼児や、足腰が弱くなってきた高齢の家族がいるご家庭です。
段差の高さは一般的に15〜30cm前後が多いですが、このわずかな段差でも、つまずきや転倒の原因になることがあります。
また、畳はフローリングより柔らかいとはいえ、踏み外して転倒すれば思わぬケガにつながる可能性もあります。
そのため、段差の高さを10〜15cm程度と、小さくすればリスク低減になります。
段差に「縁(ふち)」や滑り止めをつけるのも、視覚的にも分かりやすく、つまずきを防止になります。
夜間や暗い場所では段差に気づきにくい
夜間、照明を落とした状態や、慣れていない来客などにとっては、段差の存在自体に気づきにくいというのも注意ポイントです。
例えば、就寝中にトイレに立った際に小上がりから降りる時など、無意識に踏み外してしまうことがあるかもしれません。
フットライトや足元照明を取り入れ、夜間でも段差が見やすくし、転倒防止に。
バリアフリーの観点では不向き
将来的に住まいをバリアフリーにしていきたいと考えている人にとっては、小上がりはあまり適していない場合があります。
車椅子の使用や手押し車などを想定すると、段差のある空間はその都度リフォームの必要が出てくることもあります。
このように、小上がりは魅力的な反面、段差の扱いには十分な注意が必要です。
家族構成やライフステージに応じて、安全性への配慮も忘れずに計画していきましょう
2.掃除の手間が増える
小上がりは便利な空間である一方で、掃除に少し手間がかかる点もデメリットとしてあげられます。
特に、収納付きタイプや畳仕様の場合には、定期的な手入れが必要になる場面も多くあります。
ほこりが溜まりやすいポイントが増える
段差の縁や床下収納のすき間、畳の目などは、意外とほこりがたまりやすい場所。
ロボット掃除機が乗り越えられないケースも多く、手作業での掃除が必要な場面が増えることになります。
また、床下収納の場合、引き出しのレール部分や内部の換気対策も見逃せません。湿気がたまると、収納した布団や衣類にカビが生えるリスクも出てきます。
小上がりは、フタ付きではなく「引き出し収納タイプ」にすると、開閉しやすく、掃除機でサッと掃除しやすいです。
畳の手入れや交換も必要になる
畳はフローリングに比べて柔らかく、座り心地や断熱性に優れる反面、キズや汚れが目立ちやすく、日焼けや色ムラも起きやすい素材です。
さらに、使用状況によっては数年ごとの張り替え(または裏返し)が必要になることもあります。
後付けする小上がりは、変え畳を販売しているケースもあるので、利用しみるといいです。
小上がりは、たしかに掃除や手入れにひと工夫必要な面もありますが、理解しておけば十分だと思います。
3.圧迫感や使いづらさを感じることもある
小上がりを取り入れることで、空間に機能性や変化が生まれる一方、物理的にも視覚的にも“圧迫感”を感じやすいという一面もあります。
特に限られた広さのLDKやワンルームなどでは、「思ったより狭く感じる…」という後悔につながる可能性もあります。
床面積が減り、家具の配置に制限が出る
小上がりは段差がある分、高さ分の床がせり上がり、フラットな空間に比べて自由に家具を置きづらくなります。
段差によりソファやテーブルの脚が干渉する、掃除機がかけにくくなるなど、日常動線やレイアウトの自由度が下がることもあります。
視覚的に「部屋が狭く」感じる場合もある
高さ30〜40cmの小上がりを設けると、その上に人が座ったり家具が置かれたりすることで、視線の抜けが遮られ、部屋全体が狭く感じることがあります。
天井が低い部屋や、窓の近くに小上がりを設けた場合には、採光や開放感を損なうリスクもあります。
高さを低め(15〜20cm)に抑えると、小上がり感を保ちつつ、圧迫感を軽減できます。
また、ローソファや座布団など背の低い家具を組み合わせることで、視線の抜けを確保できます。
小上がりの導入は、空間を圧迫するリスクと隣り合わせですが、設計の工夫で“抜け感のある小上がりを作ることは十分可能です。
特にスペースに余裕のない住まいでは、高さと位置に配慮して圧迫感を最小限に抑えることが成功のポイントになります。
4.将来的な変更・撤去が難しい
小上がりは一度設置すると、その後の間取り変更やライフスタイルの変化に柔軟に対応しづらいという点も大きなデメリットです。
造作タイプの小上がりは、解体や撤去にコストや手間がかかります。
ライフステージによって不便になることもある
- 子どもが成長してプレイスペースが不要になる
- 高齢になって段差が不安になる
- 模様替えや家具の買い替えで空間の使い方を変えたくなる
このように、将来的な住まい方の変化に小上がりが合わなくなることもあります。
造作で床を上げている場合、簡単に取り外したり、元のフラットな床に戻すのが難しいのが現実です。
撤去費用やリフォーム費用がかさみます
小上がりを撤去する場合、
- 解体作業
- 床の補修・張り替え
- 隠れていた配線や配管の処理
など、工事内容が複雑化しやすく、想定以上の費用がかかることもあります。
「将来いらなくなったら取ればいい」と安易に考えていると、後悔につながることになります。
「撤去が難しい」を解決する手段として、置くだけ簡単の、ユニット型・家具型の小上がりをおすすめしています。
スキップフロア(小上がり)の理想の高さと広さ
リビングに小上がりを作るとしたら、高さは何センチくらいが使いやすいのか?
広さはどれくらいがいいのか?について、紹介します。
小上がりの高さは30cm〜40cm
段差をあがること。
腰掛けることを考えると、30cm〜40cmが理想的です。
布団のような嵩張るものも収納したいと思っているのなら高さがある方がいいと思います。
収納力は欲しいけれど、段をあがるのが面倒臭くなるかもしれないと思ったら、踏み台をつけるといいですね。
小上がりの広さは畳コーナーと呼べるくらいが丁度いい
リビングに作る畳の小上がりは、和室ひと部屋分というより、ちょっとしたスペースといった感覚の広さが使いやすいです。
4.5畳だと少し大きいかもしれません。
和室ひと部屋となると、リビング自体の広さも必要になってきます。
例えば、ゲスト用にも使うことを想定すると、一人か二人が畳の小上がりで寝ることも考えます。
大人二人なら、ベッドでいえばダブルかクイーンサイズですね。
リビングの小上がりを畳のベッドで作るのって、将来的にデメリットになりがちな、バリアフリー問題は解体することで解決。
サイズ感も丁度よく、収納にも使えておすすめです。
Q&A
- Qスキップフロアにはどんな種類がありますか?
- A
- 【中2階タイプ】:リビング上に設ける“ハーフフロア”リビングの天井を高くし、その上部にスキップフロア(中2階)を設ける構成。
- 用途例:書斎、ワークスペース、子ども部屋、趣味部屋
- 特徴:吹き抜けと組み合わせることで開放感もありつつ、上下階のつながりも演出できる。
- 【床を掘り下げてつくる半地下タイプ】:地面より低い位置にフロアを設けるタイプ。階段を下りる形でアプローチ。
- 用途例:シアタールーム、物置、作業部屋など
- 特徴:こもり感・遮音性が高く、周囲からの視線も遮れる。
- 【スキップステージ的に使う階段の踊り場拡張型】通常の階段の中間にフロアを広げて、ちょっとしたスペースに。
- 用途例:読書スペース、スタディコーナー、展示棚
- 特徴:コンパクトながらも“遊び”のある空間。家族の気配を感じやすい。
- 【リビングの段差として設ける床下・床上利用型】:小上がりや床下収納と一体化させた、段差のあるリビング構成。
- 用途例:収納付きの段差、子どもスペース、デスクスペース
- 特徴:スキップフロアほど大掛かりでなくても、立体感のある暮らしが可能。
- 【複数のフロアを段差でつなぐ立体スキップ連続型】:1階〜中2階〜2階〜ロフト…など、複数の階層をつなぐように段差を設ける。
- 用途例:多世帯住宅、ワンフロアで区切らずに多用途展開したい場合
- 特徴:回遊性が高く、空間のつながりを強く感じられる。
まとめ
リビングに小上がりを取り入れることで、下記のようなメリットが得られます。
- 空間をゆるやかにゾーニングできる
- 収納を増やせて暮らしが整う
- 多目的に活用できる自由なスペースになる
一方で、段差による安全性や掃除の手間、将来的な使い勝手などの注意点も見逃せません。
しかし、デメリットは理解しておけば、十分解消可能です。
「子どもの遊び場がほしい」
「和室も欲しいけどスペースがない」
そんな悩みを持つ方にこそ、小上がりはちょっとした空間の活用アイデアとしておすすめです。
将来の使い方やご家族のライフステージを見据えて、置くだけ小上がりを考えてみませんか?